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ける나行・라行の音の他音に變化するが如き, 特に表音的表記法を必要とする場合を除き, 全部歴史的に綴ることととせし所以なり。

八. 漢字音中, 習慣等により音の省略せられ, 又は加はり, 或は他音に變化して發音せらるるものは, 表音的表記法に從ひ, 其のまま書す。
(一) 십일(十日) 시월(十月)
목재(木材) 모과(木瓜)
(二) 철부(轍鮒) 붕어(鮒魚)
추향(趣向) 취미(趣味)
(三) 가택(家宅) 면장댁(面長宅)
동전(銅錢) 쇠천(小錢)
빙당(氷糖) 사탕(砂糖)
九. 純粋の朝鮮語に於て, 場合により야・냐,여・녀,요・뇨,유・뉴,이・니,예・녜と二様に發音せらるるものは, 表音的表記法に總ひ其のまま二様に書す。
但し用言は야・여・요・유・이・예に一定す。
이(齒) 앞니(前齒)
여우(狐) 암녀우(雌狐)
윳(擲柶) 편늇(組を分けてやる擲柶)
但書の例
일어낫다(起きに) 막일어낫다(起きた計りた)
읽는(讀む) 글읽는다(書を讀む)
얇다(薄い) 좀얇다(少し薄い)
(附記) 요(敷蒲團)は,새요,솜뇨の如く, 요,뇨に發音せらるる以外に, 中聲の下に於て, 보료(獣毛を中に入れたる敷蒲團)の如く, 료に發音せらるるとあり, 斯の如き場合にありても、亦表音的表記法に從ひ, 其のまま書す。
【解説】 右の如く定めたるは表音的表記法の精神に基ける事云ふまでもなし一部論者の中には此の種の音が前項に述べなる漢字の나行音と類せるを以て, 其の綴字も亦之と同様に大體歷史的綴字法に從ふこととしては如何と説く者あり, されど純粹の朝鮮語は漢字と異なり, 歴史的綴字を正確に知ること頗る困難なるもの少からず。 本項の如きのも又之に属す。 從つて之を歴史的に綴ることする時は, 幾多の疑問を生じ, 使用上少からざる混亂をすに至る。 因つて此等の說を採らず。 前記の如く表音的に綴ることとせり。 但し用言の場合之を아行に一定せしは, 用言に於てば熟語をなす場合の如く上語との關係密接ならざるが爲め, 發音に於ても後者程動を認むる要なさに固る。
一〇. 動詞又は形容詞の語尾に음・암・엄又は이・애等の音を附して名詞に轉成するものの中
(一) 左の如きものは、甲號の如く書す
例 甲
이름(名) 일음
기름(油) 길음
사람(人) 살암
무덤(墓) 묻엄
그믐(晦) 금음
두루마기(周衣) 두루막이
마개(栓) 막애
(二) 左の如く元の動詞又は, 形容詞の單に名詞化する外, 其の意義に於て, 何等の化, 增減を齎すここなきものは, 甲號の如く書す。
例 甲
웃음(笑) 우슴
울음(泣くこと) 우름
죽음(死) 주금
설음(悲しみ) 서름
길이(長さ) 기리
깊이(深さ) 기피
넓이(廣さ) 널비
풀이(解くこと) 푸리
놀이(遊び) 노리
【解説】 右(一) 及 (二)の如く標準を定めたるは, 其の記法を明らかにし混亂を避けんが爲にして, (一)に属するものを甲號の如く特に語源に遡らず綴ることとせしは, 此の種の語にありては語源との關係相當複雑なるものある爲一一語源を考慮して書くは其の煩に堪へず, 且つ使用の上より見るも, 甲號の如く綴る方最も容易にして簡明なる